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中谷時男展 ─旅のスケッチから─
「−旅のスケッチから−第二輯」作品集制作記念
永年の旅のスケッチから最近訪れた中欧諸国とロシアを含めた世界遺産を中心に日本の人気スケッチポイントを加え、近作30余点を出品致します。皆様のご来場を楽しみにお待ちしております。
中谷時男

 

会期:2017年9月11日(月)〜9月23日(土・祝) 9/17(日)休廊
11時〜19時/祝日・最終日17時まで

作家在廊日:会期中出席 9/15(金)以外

オープニングパーティ:初日 17時〜
中谷時男展 ─旅のスケッチから─会場で
作品集『−旅のスケッチから−第二輯』を販売いたします。
新作約60点掲載!
2,160円(税込)

 

中谷時男展 ─旅のスケッチから─

真冬のロシアを訪ねて

Q 今年一月にロシアに行かれましたね。どんな印象でしたか。

A サンクトペテルブルク、モスクワを中心に、真冬のロシアを六日間旅してきました。以前テレビドラマ化された司馬遼太郎の『坂の上の雲』で見た、サンクトペテルブルクの一シーンがとても印象深くて、雪のエルミタージュを描きたいなあとずっと思っていました。 
 今回、念願かなって一般の観光ツアーに参加しての旅でしたが、スケジュールがタイトだったので、現場で絵を描く余裕はほとんどありませんでした。それでも観光や移動の合間のわずかな時間に、葉書大の小さなスケッチ帳に現場の印象を描き留めてきました。飛行機の中から見た、ユーラシア大陸の大地に沈む夕日は、飛行機の進行に沿って延々と一時間以上も続き、壮大な光景でした。エルミタージュ美術館などの観光ポイントからツアーバスに戻る間のほんの五分、十分間で、歩きながらスケッチもしました。
 真冬のロシアは、街も大地も運河も、空気までも凍っているようで、写真も撮ったけれど、もわっと真っ白いばかりでほとんど何も写っていないんですよ。数分で描いたものでも現場のスケッチというのは貴重で、やはりその場ならではの臨場感、空気感があります。帰国後、そのスケッチと印象や体感をもとに、タブロー制作に取り組みました。限られた時間であっても六日間、現地に身を置き、あの空気に浸ってきて良かったと思います。

"念写"で描いたカラマツ枯木

Q 旅のスタイルによってスケッチやタブローの制作も変わってきますか。

A そうですね。「深閑・カラマツの枯木」(M50 号)は、長野県の高峰高原に春スキーに行った時、浅間山の山頂付近に登るリフトから見た風景を表現した作品です。キーンと張りつめた空気のなか、ふと見下ろした雪の斜面に林立する枯木の造形が面白くて、目にした途端、これは絵になるなと思いました。スキー目的の旅で、スケッチブックもカメラも持っていなかったので、同じコースのリフトに何度も何度も乗って、風景を念写するように頭に刻みつけたんです。宿に帰ってから急いでスケッチし、タブローにしましたが、頭の中に残っている印象だけを鮮明に表現したことで、強い絵になったと思います。
 長野県白馬村は今までにも何度も足を運んでいますが、今年五月に初めて訪れた野平という集落が気に入り、翌週、もう一度行きました。最初に行った時は、民家の手前の田んぼに水が張られていたのが、次の週に行ったら一面、もう早苗が植わっていました。二週連続でアングルを変えて何枚かスケッチし、そのうちの一枚を油彩のタブローに仕上げました。
 このようにじっくりスケッチができる旅ばかりではないですが、毎年一度は海外へ、国内は、習美会の泊りがけスケッチ旅行が年三回、日帰りスケッチ会数回、そのほか個人的に出かける取材と、四六時中、旅をしています。忙しいけれど、風景画家は旅をしなければ仕事になりませんからね。

中谷時男展 ─旅のスケッチから─
水仙の岬・越前崎 紙に油彩10号大
中谷時男展 ─旅のスケッチから─
樹(カラマツの枯木)・高峰高原 スケッチ5号大
中谷時男展 ─旅のスケッチから─
中谷時男先生
・・・・この続きは月刊一枚の繪2017年9月号にて
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