Spotlight-画家インタビュー 小野月世Pickup

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人物、風景、花・静物とオールジャンルで制作する人気作家、小野月世先生。一貫して「光」をテーマに、瑞々しい色彩、卓越したテクニック、陰の表現までも美しくドラマチックに描き出すその水彩作品は、観る人の心を明るくする多幸感にあふれています。長いキャリアを経て今目指していること、作家としてのステップアップ、直近の海外取材について、近作について、今年の個展に向けてのメッセージなどを伺いました。

小野月世先生

より伸びやかに

Q.現在、作品で目指していること、また大作と小品の表現の違いがありましたらお聞かせください。
小野:最近は絵にかける時間が以前よりも取れる環境になり、つい余計な手を入れがちなので、もっと伸びやかに描きたいと思います。
大作と小品との描き方では、水彩の場合、どうしても絵具の広がり方、発色の差などが出てしまうので、その差を感じさせないよう、筆の勢いなど筆さばきに気をつけながら大作を描いています。

作家としてのステップアップ

Q.長年、制作を続けてこられた中で、作家としてステップアップしたなと実感されたのはどんな時でしょうか。また、絵を描く人に上達へのアドバイスをお願いします。
小野:自分の過去の作品を観て、未熟さを感じるということは幾らかの技術的なステップアップは果たしてきたのだろうと思いますが、「今ステップアップした!」というような明らかなタイミングは無くて、気付いたら…という感じでしょうか。
初心者の方は0から1になるのですから、その差は大きく感じると思いますが、そこから先は自分が上手くなっている実感はしにくいと思います。ただ、絵は繰り返し描くことで必ず上達はしますから、時々昔描いた絵を今の絵と見比べてみれば、実感がわいてくるかもしれません。教室で毎回同じ指摘を受けることがあるなら、それを克服するよう意識してみるだけでも上達の近道となるでしょう。

思い出の地コッツウォルズ

Q.今年初夏のイギリス取材は、どんな旅になりそうですか。
小野:今回は、息子に運転手をしてもらってコッツウォルズ地方を回る予定です。ここは何度か訪問した絵になる魅力的な場所です。昔、母を乗せて私が運転をした思い出もあり、以前立ち寄れなかった村などにも行ければと思っています。花がきれいな時期だと思うので、花盛りの庭などを回って、個展の出品作品の取材をしたいと思っています。

Q.近作について
小野:「花言葉」-ピンクのバラの花言葉は「感謝」や「幸福」。光を受けて佇む女性の幸せな時間を描きました。

「小さなせせらぎ(フランス・アルボア)」-フランスを旅した時、目にした風景です。村を流れる小川のせせらぎと小鳥たちのさえずりが響く、美しい光景でした。

「待ち人」-盛りを過ぎたバラが最後の力で美しく咲き誇っています。まだ来ぬ人を待つ女性のように思いました。

「或る日」-白く柔らかな肌の女性の一瞬の表情を捉えたくて、荒いタッチを敢えて残しながら描きました。

「初夏の庭」-イングリッシュガーデンの中で日差しを受けながら立つ日傘の女性。たくさんの花たちが初夏の庭を彩ります。

陰の表現も大切なテーマ

Q.今回のギャラリー一枚の繪での個展に向けてメッセージをお願いします。
小野:いつも光をテーマに描いていますが、今回も花や風景、人物など様々な場面での光を追い求めながら描きます。光がある所には陰があり、陰の表現もまた大切なテーマです。皆様のご来場をお待ちしています。

小野月世 おの・つきよ
兵庫県に生まれる
1991 日本水彩展奨励賞
1994 女子美術大学絵画科日本画専攻卒業
   神奈川県展美術奨学会賞受賞 
   春季創画展出品(~’96)
1995 日本水彩展内藤賞
   ベルギー美術大賞展出品
1996 女子美術大学大学院美術研究科日本画専攻修了
2001 昭和会展昭和会賞 水彩人出品(~’18)
2002 日本水彩展会友奨励賞
2005 日本水彩展内閣総理大臣賞
2019 白日会展入選(以後毎年)
2021 日展入選(’22、’23、’24、’25)
現在 日本水彩画会理事 白日会会員