Spotlight-画家インタビュー 中谷時男Pickup

中谷時男「白馬・大出の吊橋」 油彩P10号 440,000円
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中谷時男「五竜」 パステル20号大 660,000円
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中谷時男「奥入瀬・錦秋」 パステル6号大 198,000円

中谷時男「ルスツより羊蹄山を望む」 油彩P8号 352,000円
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中谷時男「片栗」 紙に油彩3号大 99,000円
長年にわたり、国内・海外各地を取材し、独自の色面表現で風景画を制作している中谷時男先生。近況や近作について、今年2月の個展に向けてのメッセージなどを伺いました。
中谷時男先生
スケッチの旅
Q.長年、国内外で「スケッチの旅」を続けていらっしゃいますね。
中谷:風景画家として「スケッチの旅」は欠かせないものです。これまで国内外の各地を取材してきましたが、2019年の北イタリアの旅以来、大きな海外の旅は計画していません。高齢に加え、コロナ禍と私自身、一昨年に脳梗塞を患い、以前と比べて馬力は7割程度に低下しましたが、幸い後遺症もなく、絵は描き続けています。まだ訪れたことのない念願の北欧の旅も、いつになるかわかりませんが行きたいと思っています。
信州、北海道取材へ
Q.最近の取材でのエピソードをお聞かせください。
中谷:コロナ明けで最初に行った所はやはり信州であり、あずみ野から白馬地区でした。何度も訪れた場所ですが、白馬村の青鬼地区は道が狭く、今まで取材が困難でした。今回は小さな車で行くことができ、初めて見る青鬼から五竜岳の景観に感動しました。その感動そのままにスケッチし、パステル20号大の作品「五竜」を制作しました。
また北海道ニセコのシンボルである羊蹄山にはヒノキ新薬の社長、阿部武彦氏にご案内いただき、よいスケッチ旅行ができました。油彩P8号の「ルスツより羊蹄山を望む」はその取材で制作した作品です。
パステルでの制作も
Q.油彩、スケッチ以外の画材でも制作されていますね。
中谷:油彩やスケッチに加え、最近はパステル画を描くことが多くなりました。比較的簡単な画材だと思っていましたが、色数の多さには驚きました。たとえばライトブルーでもたくさんのバリエーションがあり、手持ちの色数がどんどん増えていきました。発生する粉の処理には苦労しながら、フキサチーフを多用し、押し込むように着色しています。私の油彩作品とはまた趣の異なるタッチや色遣いの作品になっていると思います。
また、ガラス絵は、スケッチの途中で見つけた花などのモチーフを多く制作しています。
Q.近作について
中谷:油彩P10号「白馬・大出の吊橋」は、10年も前のスケッチが気に入り、再び描き込んでみた作品です。日本で一番のスケッチポイントで、私も見ないでも描けるくらい何度も通った、印象深いところです。
また、奥入瀬や上高地の横川などの風景をパステルで制作しました。スケッチや油彩で描きなれたモチーフですが、パステルでの表現にも合っていると思います。
「今の気持ち」を込めた新作を発表
Q.今回の個展に向けてメッセージをお願いします。
中谷:画業50年を超えて、最近は以前より少なくなりましたがスケッチの旅を続けています。新しい取材のほか、古いスケッチの中から思い出深い風景を辿り、今の気持ちで制作しました。新しい技法や画材も使いながらこれからも描き続けていきたいと思います。今回は油彩の他、スケッチ、パステル、ガラス絵を交えて約30点を出品します。ぜひご高覧ください。
◎中谷時男 なかたに・ときお
1942 千葉県生まれ
1986 安井賞展出品
1988 現代洋画精鋭選抜展金賞
2009 新構造展内閣総理大臣賞
2012 新構造展損保ジャパン美術財団奨励賞
現在 新構造社理事長 日本美術家連盟会員
習美会会長