花の華やかさに私なりの表現を昇華させて
「新たなモチーフの『生け花』の作品は、 日本人のもつ独特の感性、特に四季折々の花を愛で書画作品をのこしてきた日本人のDNAが私にもあるのでしょうか、花自身にそなわっている華やかさを念頭にイメージをふくらませて、自分の感性を頼りに、花だけでなく、古木、竹などを組み合わせて、私なりの表現に昇華させています。言うなれば、流派はもちろん、立川流となります(笑)」
大胆な筆致と鮮やかな色彩で、バラやヨーロッパ風景を描く立川広己先生。藤崎での展覧会を前に、新たなモチーフについてうかがうと、このようにお話されました。
立川先生は1949年東京都に生まれ、武蔵野美術大学を卒業後、上野の森絵画大賞展や、佐伯祐三や里見勝蔵らが創立し、野見山暁治先生もかつて所属されていた自由美術協会でも出品・受賞を重ね(現在会員)、1991年、一枚の繪主宰の現代洋画精鋭選抜展第20回記念大展金賞を受賞。現在も美術界の第一線で活躍されています。毎年秋に開催される自由美術協会の展覧会では、トルソなどをモチーフに、その年々の世相をエッセンスにした作品を発表し続けていて、個展で発表される作品とはひと味違った味わい深いタブローをみることができます。
立川広己の世界が展観できる個展に
「個展での作品は、前述の新しいモチーフ、『生け花』や、私の場合、やはりバラの作品やミモザの作品、独自のフラワーベース(花瓶)に入った明るい花々の小品、ヨーロッパ風景などを組入れ、あまり外では見られない個展空間の雰囲気を醸し出すことができるような作品を描いています」
画業45年を過ぎ、新たなモチーフ「生け花」に挑戦し続けるだけでなく、これまで描き続けてきた花やヨーロッパ風景も、相乗効果でより深みのある作品を生み出している立川広己先生。
藤崎での個展を、どうぞご期待ください。
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