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TOPICS−新着情報
一枚の繪 人気作家 水彩展
 
伊勢丹浦和店美術画廊・プチギャラリーにおきまして、「一枚の繪」掲載作家による水彩画作品展を開催することとなりました。
プロによる水彩画のいろいろな表現方法をぜひご高覧いただきたくご案内申し上げます。
会期  2020年7月29日(水)〜8月4日(火)
会場 伊勢丹浦和店7階 美術画廊・プチギャラリー
出席作家 大久保佳代子  8/1(土)、2(日)出席 12:00〜17:00

展覧会プレビュー 展覧会担当者に聞く 展覧会の見どころ
 雑誌「一枚の繪」でも多く取り上げられて人気の高い水彩画。日曜画家の中でも最も多くの方が描かれ、飾っても、爽やかな風が流れるような、みずみずしい色調は、眼に心地よいものがあります。
 真夏の涼を美術画廊で得るには格好の、「一枚の繪人気水彩画展」が三越伊勢丹浦和店で開催されます。人気の王軍先生や徳田明子先生をはじめ、大原裕行先生の味わい深い作品をご覧いただく今展。そのなかで、埼玉県出身、在住で、会場出席を予定されている大久保佳代子先生にスポットをあてて、お話をうかがいました。
 大久保先生は、光風会会員として、また、今年、新会友となった日展でも大作の水彩作品を出品なさっている気鋭の画家です。2014年、絵の現在 第41回選抜展で銅賞を受賞し、以降、「一枚の繪」に作品を掲載。17年4月号から20年4・5月号までの3年間、誌上水彩画教室を連載され、読者にはおなじみの水彩画家です。

会心の作が美術展で賞を獲る

小野月世 水彩展
大久保佳代子先生
小野月世 水彩展
『木漏れ日』  水彩4号大
小野月世 水彩展
『秋薔薇』 水彩8号大

 小さい頃からものを作ることが好きだった大久保先生。幼少期の頃はおままごとで泥団子を作ったり、花から色水を作ったり(花びらを水に入れて擦り混ぜて作る)していたそうです。
漠然と画家への道を志していたと述懐されたのは、

「小学校5、6年の時の担任の先生が、工作がとても上手で、私のクラスだけの特別授業で奴凧を作ったことがあるんです。竹籤と小刀を用意して、先生が竹籤を軽くあぶって、曲げやすくして、ひょいひょいと骨組みを作りました。それを見よう見まねで、ほいほいつなげてみたら案外上手くいって、和紙の取り付けをして、絵を描きました。
本物に近い物が作りたくて、オリジナルではなく〈本物の〉奴凧を調べて、侍の絵を描きました。
いざ、凧揚げに行くと、すごく高く飛びました。ひとつのクラスだけのイベントだったにもかかわらず、他のクラスの子たちがベランダで振り向いてくれていたような気がします。誰よりもバランス良く遠くまで飛んだので、それだけでも嬉しくて嬉しくてたまらなかったのですが、その年の美術展に出品されて、特選を取ったんです」

という、創作したもの(作品)が自他ともに認められるくらい素晴らしいもので、それが美術展で賞を獲る。現在の大久保先生の画家としての活動のひとつのかたちを先取りしたようなエピソードは印象深いものがあります。
光風会展や日展へは、お子さんをモチーフにした人物作品を主に発表し続けている大久保先生。その最初は高校生時分の公募展出品作から。

 「私が人物をテーマに描きだしたのは、高校1年の埼玉県展制作の時です。まだ、油彩作品は3枚目で、この時は、いきなり50号のキャンバスを渡されました。先輩たちは慣れた様子で、静物などに取り組んでいましたが、私は、この大きさ(116.7×90.9cm)なので、自画像を描けば埋まる、と思って等身大の鏡を置き描きだしました。たまに、指導してくれる先生が、「影は色があるんだよ」と言いました。その時(まだ油彩画3枚目)は影って、黒とか茶色とかダメなんだと思い、顔に緑や青、ピンクなどの影を入れて描きました。
その後に先生が見に来た時、「良いんじゃないか」とおっしゃったので、これでいいんだなと思ったことを思い出します。
その作品は、見事県展で入選したので、調子に乗ってしまい(笑)、その頃から人物画に魅力を感じるようになりました。
大学でも人物を描くクラスに所属して、ピエロをアバンギャルド風に描いたり、ヌードをデフォルメして描いたり、いろいろ手法や形を変えて表現することを楽しんでいました」
(大久保先生が武蔵野美術大学の学生だった頃は、中野淳、松樹路人、宮田晨哉先生などの具象系の画家と宇佐美圭司、前田常作先生などの抽象系の画家が教授陣にいらっしゃって、遠藤彰子先生〈現在、同大学名誉教授〉は当時助教授だったそうで、大久保先生は宮田クラスに在籍されていたそうです)

 県展ではその後、美術家協会賞、県知事賞を受賞。県知事賞を受賞した年は、1998年に初入選し現在も大作の発表の場として活動を続けている光風会展で奨励賞、日展(第42回)初入選と飛躍一年を過ごしました。そして2014年、絵の現在 第41回選抜展で銅賞を受賞し、現在の「一枚の繪」での活躍が始まりました。


描いてないと、落ち着かない
「転機が訪れたのは、家族ができたことです、長女が生まれ、専業主婦(当時)となり家事と子育ての合間にデッサンやクロッキーを描き、それを作品にしていきました。赤ちゃんの頃から長女を描いていたので、本人も身構えることなく、(制作している)私のことをぜんぜん気にせず自然体でいてくれたので、どんな絵を描いても表情が固くならずにいてくれたことはとってもありがたかったです。子供の表情は、目が澄んでいてまっすぐなんです。
成長して中学生になると、なかなかモデルになってくれなくなり、ここで長男登場です。おっとりした性格で、お姉ちゃんの後を追いかけていましたね。時代なのか、屋外で遊ばないで、家でゲームをして遊んでいましたのでよくクロッキーをしていました。そうして描くにつれ、外へ、公園や雑木林のあるところなどに散歩へ行ったりして、現在大作のモチーフになるようなものを描くようになりました。
当たり前かもしれませんが、毎日毎日、子供の笑顔と寝顔を独占した生活をおくっていって、いろいろな表情に出会い、描くことができました。
もうひとつ、一枚の繪の選抜展で受賞したことでも変化がありました。作品を雑誌「一枚の繪」で紹介していただいたことで、ちょっとは知られる存在になったことは、とてもうれしいことです。絵描きの友達が増えたのもこの後でした。
現在は、常に制作中心で、美術教師や絵画教室で指導をし、日常生活は何となくこなして、あとは制作時間に充てるようになりました。個展の予定がなくてもやっぱり描いてないと、落ち着かない感じです」

さまざまな転機が大久保作品の進むべき方向性を押し進めているかのようで、とはいえそれはひとえに、どんな状況でも描き続けているからに違いありません。


絵画は、現実にはない非現実の世界へと心を開放してくれる

 常に制作のことが脳裏にあり、描き続けている日常に、新型コロナウイルス感染症による問題が起こり、それはこの春から現在も続いています。4月に開催予定だった光風会展の中止や勤務先の学校や絵画教室の休校、休業。大久保先生はどのようにお過ごしだったのでしょうか。

「3月の突然の自粛は正直、制作のチャンス! と思ったのですが、実際は違いました。美術館は休館になり、光風会展は中止され、制作意欲を失い、家は、休業休校のおかげで家族全員集合。家事や家族の世話で制作の時間は全くありませんでした。
外出も控えていたので、諸々飽きてしまってやる気がでなくなってしまい、何をやってもうまくいきませんでした。
そんな中、オンラインによる授業や会議などを行えることを知り、休業していた絵画教室の生徒さんにはオンラ
インで指導できないかなと考えました。生徒さんも、自分自身だけで絵を描いていても、教室の皆さんと会えないし、発表する場もないしで、絵を描く気力がなくなってしまう。このままではせっかく今まで頑張ってきたのに、もったいないと思い、パソコンでオンライン絵画教室を企画して、生徒の皆さんとお話ししてみたんです。
そうしたら、70代の方々が、「オンラインで絵画教室やろう!」って、おっしゃってくれたんです。6月に始動したばかりですが、いろいろなアイデアを出しながら、何とか立ち上がりました。まだまだ手探りですが、生徒の皆さんに満足していただけるように、せっせとサンプルを作って動画を配信し、楽しくコミュニケーションをとっています。
コロナ禍でも、しっかり自分を見つめる時間を持ち、意識をもって絵画制作に取り組んでもらえたらと思っています。
絵画は、時代とともに支持体や絵具を変えてきました。光の捉え方、遠近の捉え方なども、作家によってさまざまです。また、作者の想いや独自の個性、癖など、作品からさまざまな情報を得ることができます。
展覧会に足を運ぶと、展示空間、作品の大きさや迫力、感動、発見など、作者自身に寄り添って作品を共有し、自分なりに何らかの感情を持つことが心地良かった。 
コロナ禍で、美術館の休館が相次ぎ、実物を鑑賞する機会が減っていくと予測される昨今。とても残念に思っていたのですが、インターネットで新たな試み―映像や画像で絵画作品が発信され、作品に触れることができるようになってきています。
形式は変わっても、絵画鑑賞することはとても楽しいことで、実物を観たときの感動を得ることは映像や画像ではできないかもしれませんが、それでも絵画は、絵を見ながら、現実にはない非現実の世界へと心を開放してくれる、素晴らしい存在だと思います」

 緊急事態宣言が解除になって以降、徐々に美術館や画廊が再開してきていますが、それでもコロナ禍の渦中に現在、「形式は変わっても〜それでも絵画は、〜素晴らしい存在」だと力強くおっしゃる大久保先生。描き続けるその作品には《感動》が地色として塗り込められていることでしょう。
地元ともいえる三越伊勢丹浦和店での水彩画展で、「実物を観たときの感動を」ぜひ味わってください! 

小野月世 水彩展
イタリア、ファブリアーノ国際水彩画展2020に出品したバラの作品です。イベントは中止になってしまい、オンラインによる開催となってしまいました。インターネット上にアップされているデジタルカタログで作品を見ることができます。
小野月世 水彩展
オンラインビデオ会議アプリ、ZOOMでオンライン授業のための動画制作中。



 

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