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内田博先生(2011年の取材より) |
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『薔薇と静物』 油彩F8号 |
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『ラ・フランス』 油彩F6号 |
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何層も絵具を重ねることで生まれる対象の美 |
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『石榴』 油彩SM |
果物や花などのモチーフを中心とした静物や風景作品なども手がける内田博先生。一見するとあまり変化の見られないような画面と感じてしまいがちな静物画も、じっと静かに眼の前の作品に没入して見入ると、これまでと異なる試みをしているように気づきます。内田先生のお仕事はまさにそうした作品に満ちていて、新作ごとに新しいことに挑んでいるかのようです。そのことについておうかがいすると、意外な返事が返ってきました。画家にとって、日々の移ろいゆく制作は変わらない日常なのかもしれません。が、結果として生まれるものが(第三者から見ると)新しく感じられる。制作の深淵をのぞくような思いがしました。
普段身近にあるものも違った見方が出来る
内田先生は1977年愛媛県生まれ。地元の大学在学中、洋画家石井喜久子先生の教室に通い始めたことをきっかけに絵に没頭するようになったそうです。
大学卒業後、石井先生の「同じ志を持った人達の中に飛び込んで鍛える必要がある。」との助言もあり、上京。現在まで続く日本の公募美術団体で最も歴史のある太平洋美術会の研究所に通い、その後並行してアートマスターズスクール(ここでは西洋古典画の技法も習得)で、画技だけでなく対象のなかの美をつかむ表現を培ってきました(太平洋美術会の研究所では岸本政尚先生、アートマスターズスクールでは藤木俊明先生から多くの指導を仰いだそうです(藤木先生は現在、アトリエラポルトの講師をなさっています)。
その成果は2006年、一枚の繪主催、絵の現在第35回選抜展で銅賞を受賞。その後、若手画家の登竜門でもある昭和会へ招待出品するまでに周囲から高い評価を得るまでになりました。
ライフワークの静物画の魅力を伝えられれば
現在では、個展を中心に作品を発表している内田先生。今回、藤崎でははじめての個展を開催することとなりました。
作品を通して伝えたいものをおうかがいすると、
という内田先生。画家自身が「引き込まれ」る世界に、見る者も思わず入ってしまうことでしょう。 |