今月のおすすめ作品<女性像に託して>お知らせ

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古今の画家たちによって描かれてきた女性像。現代の画家たちは、女性像に何を託して筆をとるのでしょうか。今月はおすすめの作品5点とともに、女性像に託す画家の想いをご紹介します。

山下保子 「春の薫り」


「春の薫り」 日本画6号 528,000円(税込)
やました・やすこ
美大3年生になると、私は人物画ばかりになりました。4年生のとき、日春展に入選した作品も、卒業したときに日展に入選した作品も人物中心。以降、女性像がほとんどで、作品のテーマに存在する「人間」として描くことがほとんどです。(山下保子

茶谷雄司 「Sonata23-Ⅱ」


「Sonata23-Ⅱ」 油彩6号 231,000円(税込)
ちゃや・ゆうじ
ベートーヴェンの真の恋人を追う映画『不滅の恋/ベートーヴェン(Immortal Beloved)』の物語にインスピレーションを受け、愛しい人からの手紙に想いを寄せて一喜一憂し、会えない時間を探している物語の世界観を描きました。女性像の表情の向こう側にある感情を、鑑賞者それぞれの目線で自由に感じてもらえたらと思っています。(茶谷雄司

大友義博 「花想う」


「花想う」 油彩P6号 396,000円(税込)
おおとも・よしひろ
写実絵画にもさまざまあるが、写真のように描くのは自分にはしっくりこない。絵具でデッサンを繰り返す中で立ち上がってくる造形と空気感を、絵具そのものの表情の面白さを生かしつつ制作していきたい。(大友義博

湯澤美麻 「白雲」


「白雲」 油彩P8号 264,000円(税込)
ゆざわ・みま
最近は夏が長くなったとよく言いますが、私の中では夏というとやっぱり7月と8月で、その2ヶ月間だけが確かな夏です。9月になると暑いのは変わらないのに、途端に夏がすぎ去っていくのを感じます。なんとなく空気が変わって、夜に鳴く虫の声が夏の終わりを告げているように聞こえるのです。どの季節がすぎ去るときも名残惜しく感じますが、夏の終わりは特に物悲しい気持ちになります。だから、その2ヶ月間が特別で、浮き足立って夢中になるのかなと思います。そんなことを考えながら制作しました。(湯澤美麻

宮地明人 「夏の日のこと」


「夏の日のこと」 アクリルM6号 231,000円
みやち・あきひと
女性像の制作で大切にしていることは、自分のフィルターを通した女性像を具現化すること。「自分の中で感じるリアリティ」を追求するように心がけています。実際のモデルから印象を自分なりに理想に近づけること。表情を和らげたり強めたりすることや肌の色味の彩度を強調したり、また控えめにしたりするなど、「自分はこう見た」という言い切りを大切にしています。特に、眼・鼻・口といった顔のパーツの描写は、人物を描く作家の特徴が出る部分ですので、理想の表情に近づけるように気をつかっています。(宮地明人