Spotlight-画家インタビュー 湯澤美麻Pickup
湯澤美麻「再会」 油彩P10号 330,000円
湯澤美麻「Harmony」油彩20号 660,000円
湯澤美麻「旅人」 油彩M6号 198,000円
湯澤美麻「re:birth」 油彩S4号 165,000円
湯澤美麻「小晴日和」油彩P10号 330,000円
湯澤美麻「Melodies」油彩 S4号 198,000円
湯澤美麻「Gift」 油彩4号 132,000円
人物、風景から静物まで様々なモチーフを独特の世界観と透明感で描きだす湯澤美麻先生。制作テーマやモチーフについて、下地や色づかいについて、近作へのコメント、ギャラリー一枚の繪で開催される個展に向けてのメッセージなどを伺いました。
湯澤美麻先生
空や大地、生命への関心
Q.2018年に絵の現在選抜展銀賞を受賞された時に、空や大地、生命への関心を語っていらしゃいました。現在までの間に、制作テーマや表現に変化はありましたか。
湯澤:絵の現在選抜展のときから、今も変わらず空や大地、生命への関心は強くあります。当時は、それを画面に明確に出すことを意識していたように思いますが、最近はそのようにテーマをはっきりと意識した作品構成は少なくなってきている気がします。それは考えが薄れたからということではなく、意識しなくても描いているうちに結局は同じところに行きつくのだと感じています。
常に心躍るものを求めて
Q.風景、人物、静物と幅広いモチーフで制作されていらっしゃいますが、モチーフ選びのポイントについてお聞かせください。
湯澤:モチーフの選び方は、作品ごとに異なります。描きたいイメージが先にあるときと、手元にあるモチーフからイメージを膨らますときと、どちらもあります。
いずれの場合も、無理に何かを生み出そうとするのではなく、ふっと思いついた時の方がたいていうまくいきます。なんにも出なくなったときは、素敵な景色を求めてドライブに行ったり、古物や陶器などを見に出かけたりします。
常になにか心躍るものを見つけては吸収して、蓄積しておくのが大事だと感じていますが、なかなか難しいものです。
石膏地と色の美しさを生かして
Q.石膏の下地や色づかいについてのお考えをお聞かせください。
湯澤:もともと白亜地を使っていましたが、今使っている石膏地の方が、描き出しの吸い込み具合がちょうどいい気がしています。画面と絵具がしっかりくっついていくような感覚が好きです。
色については、もともとくすんだりしがちなので、なるべくそれぞれの色の美しさが生かせるようにと思いながら描いてはいます。
今回の個展では、ぱっと見てモチーフや印象がそれぞれ違ってごたついているようにも感じられますが、途中から全体の色のバランスを考えながら制作していった結果、「青を基調とした作品」「白を基調とした作品」「多様な色相による作品」の3つの構成になりました。
Q.近作について
湯澤:「Harmony」-海は、繰り返し打ち寄せる波の様子、においや風、すべてが好きなのですが、一番は音かもしれません。波の音を聴いていると、心が落ち着くような気がします。
「再会」-空と大地が呼応するようなイメージが最初にあって描きました。空を抜けてさらに宇宙までつながっているような、そんな絵になりました。
「旅人」-春も夏の終わりと同様に、いつもさみしさを感じるのですが、同時にはじまりも感じていて、そんなイメージで描きました。終わりとはじまり、儚さと美しさ、すべての相反するものは同時に存在しているような気もします。
「re:birth」-今のこの時間は一瞬でしかないけれど、遡ればどこまでもつながっていて、反対に先に進んでいってもつながっているはずで、一本の鎖のようで、ひょっとしたら輪になっているかもしれなくて、そんなイメージです。
「白雲」-夏の終わりをイメージして描きました。夏の終わりは物悲しいのになんだか好きで、夏というものは突然やってきてはあっという間に流れ去っていくような、そんな気分屋でつかめない雲のような感じがします。
個展に向けて
Q.今年のギャラリー一枚の繪での個展に向けてメッセージをお願いします。
湯澤:今回の個展の作品は何が共通項なのだろうと考えた時に、「つながる」ということが背景にあると気づきました。
現代では、SNSをはじめとして誰かや何かと「つながる」ということが、人々の意識に強くあるように思えますが、それはひょっとしたら単になにか安心感を得る、ということではなくて、不確かなこの世界にある自分という存在を、確かなものにするために必要としているのかもしれない、なんてことを考えました。少なくとも自分は、何かと何か、そして自分をつなぎ合わせることによって、自分とはなにか、ということを考えているような気がします。
ごちゃごちゃとわけのわからないようで、でも絵はそれぞれに独立して楽しい顔を見せていると思います。ぜひ会場でご覧いただけたら幸いです。
◎湯澤美麻 湯澤美麻
茨城県に生まれる
2011 筑波大学芸術専門学群卒業
2012 雪梁舎フィレンツェ賞展佳作
2013 茨城県芸術祭美術展覧会特賞
2015 昭和会展入選
中札内村北の大地ビエンナーレ佳作
2016 筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程芸術専攻修了
2017 美術新人賞デビュー2017入選
2018 絵の現在選抜展銀賞
2021 二紀展奨励賞
現在 二紀会準会員 茨城県美術展覧会会員 筑波大学芸術系助教
個展多数

